「華がない」
まあ、致命傷だと思います。
恐らく、永田裕志選手自身も、そういったところには無頓着だったのか、
出来なかったのかはわからないが、積極的に意識はしていなかったようにも思えます。
「ただ、戦いをみせる」
ボクは「永田裕志はこのままでいい」と思っていました。
リング上の熱い永田裕志を魅せてくれればそれでいいと思った。
NOAHとの対抗戦。秋山準との戦い
時代は前後しますが、NOAHとの対抗戦にも積極的に出ていきました。
蝶野正洋選手は小橋建太選手と。
獣神サンダーライガー選手と金本浩二選手は、丸藤正道選手や金丸義信選手、菊池毅選手と。
そして、永田選手は、秋山準選手と。
新日本プロレスとNOAHが対抗戦をするなんて夢のような季節でした。
ぶっちゃけ、武藤敬司がいた時代に、、、という思いがないわけではなかったですが。
しかし、これ以降、武藤敬司の全日本と、橋本真也のZERO-1の対抗戦。
数年前で言えば、鈴木軍のNOAH侵攻など、団体の垣根が崩れ、ワクワクさせるカードが沢山生まれた、
団体対抗戦の黎明期に永田裕志は確実にトップに君臨していたと思います。
いわくつきの「チームジャパン」?
「長州力派閥」と言われた永田裕志、中西学と、「橋本真也派閥」と言われたケンドー・カシン、藤田和之で「チームジャパン」を結成。
ヒールユニットと括られたこのユニットだったが、永田選手は「ヒール役」というのが板につかないのか、ただの会社批判に終始。
なんとなーく、活動して、なんとなーくフェードアウトするという、
謎の期間を過ごした。
永田裕志ファンのボクからすると、ケンドー・カシンとの絡みなんて面白そう!とおもったのですが、まあ、永田さん、付き合わないねー、って印象でした。
中西選手とカシン選手の方が、面白い絡みしていましたが、なんというか、
プロレス玄人向けのわかりにくい絡みだった記憶があります。
これは、これで。だけど、「戦い」が見たい。
総合格闘技には出せない、「プロレスならではの戦い」が見たい。
だけど、時代はそれを、永田裕志を選んでくれなくなってきました。
中邑真輔と飯伏幸太
そして、時代が進み、第3世代の選手たちも50歳に近くなってきた時、
「個人的に好きな永田裕志」の3つ目は、この時に生まれました。
2015年の1・4東京ドーム大会。
この大会に永田裕志の試合は組まれなかった。
(正確にはニュージャパンランボーに出場し優勝したが、第0試合扱い)
この事実に永田裕志は「もうダメか」とふさぎ込んだという。
しかし、当日行われたある試合で、その気持ちは前向きなものへと変わった。
IWGPインターコンチネンタル王座戦
王者・中邑真輔VS挑戦者・飯伏幸太
この試合は、個人的にオールタイムベストバウトに入る試合ですが、
永田裕志選手もまた、この試合に感じるものがあったと発言しました。
2人の試合は、技と技でつないだり、華麗な空中技が飛び出したり、
そんなのは一切ない、気持ちのプロレスでした。
飯伏幸太選手はトリッキーな攻防を魅せます。
今や定番ムーブとなっている、スワンダイブ式ジャーマンスープレックスも
この時に放ちました。
しかし、それ以外は、キックや掌底でのバチバチのやり合い!
中邑真輔がボマイェを繰り出し、飯伏幸太からピンフォールを奪う、その最後の最後まで
2人は「ナチュラルでヤバイ」プロレスを魅せました。
これに反応した永田裕志。
忘れていた何かを思い出した。
白目とか、コミカルにとらえられる言動とか、そういうんじゃない。
「戦い」を魅せる。それが新日本プロレス。
永田選手は、試合前のインタビューで、
「肉体と魂のぶつかり合い」
「怒りとか、相手を叩きのめしてやる」
「そういうものがダイレクトに伝わってきた」
と中邑真輔選手と飯伏幸太選手の試合を評し、
1.5後楽園ホールで、インターコンチに挑戦表明するその理由は、
「2人の戦いをみて、スイッチが入った」から。
これを見ていた人は、
「そんな理由でインターコンチ挑戦できるの?」
「ロートルが目立ちにきたよ」
「必至だな、永田w」
とか思った方も多いでしょう。
ボクは、滾った。
中邑真輔に挑戦表明を出す永田裕志に、
滾った。
中邑真輔との”戦い”
2015年2.14「THE NEW BEGINING」仙台大会。
永田裕志が望む戦いが、そこにはあった。
序盤からバチバチの打撃、息をのむグラウンドの展開。
そして、中盤に差し掛かるところで、永田裕志得意のスープレックスで一気にチェンジオブペース。
中邑真輔選手は、昔試合した際に、雪崩式のエクスプロイダーで肩を脱臼し、欠場したことがあります。
その記憶を甦らせんばかりに、今回はトップロープからのエクスプロイダーを放ちます。
また左肩から落ちたか?そう思うような危険な角度でのエクスプロイダーを、
カウント2で返す中邑選手。
気持ち、潰えることなく、2人は”戦い”を魅せた。
永田選手は、健闘虚しく、必殺のボマイェで敗北。
久しぶりの新日本プロレスでのシングルタイトル奪取とはいかなかった。
この試合の煽りVで、「親父の背中」という言葉を使い、子どもに親父の生き様をみせる、
というニュアンスが含まれていた。
もちろん、そういった意味合いもあるだろう。
しかし、ボクがこの試合をみて思ったのは、
「新日本プロレスの魅力は”戦い”だ」という事。
内藤哲也選手が、NHKの「プロフェッショナル仕事の流儀」で
「勝った負けたで試合をしていない」
と発言し、それ以降「プロレスは勝とうが負けようが、お客様の満足が一番」という風潮が一気に強くなった気がします。
もちろんそれも大事ですが、
「勝った負けたでプロレスする選手がいたっていいじゃないか!」
と、声を大にして言いたい。
新日本プロレスがどれだけ大きくなって、エンターテイメント性が強くなっていっても、
勝負論が介在しない団体にはなって欲しくない。
だからこそ、選手の皆さんには強くあってもらいたい。
永田裕志選手、まだイケるよ!
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