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鷹木信悟とウィルオスプレイのそれぞれの思いのベクトル【新日本プロレス】

木信悟とウィルオスプレイのそれぞれの思いのベクトル。

https://www.njpw.co.jp/wp-content/uploads/2019/06/05-2.jpg

(引用:新日本プロレスオフィシャルサイト)

ベストオブザスーパージュニア(BOSJ)公式戦の
全日程が終了して、
Aブロックは鷹木信悟選手が「全勝」で決勝進出。

Bブロックは、田口隆祐選手との接戦を制し、
ウィル・オスプレイ選手が決勝へコマを進めました。

 

田口隆祐選手の強さ

田口隆祐選手はキャリア16年でジュニアの中では
獣神サンダーライガー選手やタイガーマスク選手に次ぐ
ベテラン選手です。

その強さの根本は「正確さ」
レスリングテクニックにしても、技一つ一つにしても、
至って正確です。

タグチジャパン監督や、下ネタ系のコメント、
「ギタル」イメージが先行して、
コミカルキャラに思われがちですが、
(というかそうなんですが

一方で、そのレスリングセンスは抜群です。

プリンス・デイビット選手との「Apollo55」を
覚えているかたなら、いかに一つ一つの技のキレに
定評があったかをご存知でしょう。
なんといっても、ジュニアヘビー級で唯一、
プロレス大賞ベストバウトを受賞した選手の一人ですから。

今回の試合は特に、決勝進出を賭けた一戦ということもあり、
序盤からウィル・オスプレイ選手を攻め込みました。

特筆すべきは、
オーマイアンドガーアンクルの入り方のバリエーションでしょう。
キックアウトを誘って捉えたり、
ストームブレイカーをいなしてロックしたりと、
あらゆる想定をして試合に臨んだことがうかがい知れます。

今回は、惜しくも負けてしましましたが、
確実に言えることは、
ベストバウトを獲ったあの時より、
今の田口隆祐選手の方が動きもセンスもいい。
もしかしたら今が全盛期といっていいくらいの
時期を迎えているのかもしれません。

 

鷹木信悟のマイク

試合後、勝者のウィル・オスプレイ選手のもとに
やってきた鷹木信悟選手。

定評のあるマイクアピールで、
決勝への意気込みを語りだしました。

鷹木「どうやら、決勝の相手が決まったようだな(※場内拍手&歓声)。ヘイ、オスプレイ! グッドマッチ!(※と親指を立てる)グッドファイト! ユー・アー・アメージング! テクニック、スピード、パワー。ユー・アー・ストロング!(※場内拍手) バーット! バット、バット……。アイム・モア・ストロング! ザン・ユー!(※場内拍手&歓声)。オイ、いまの試合を観てわかるように、たしかにコイツはハンパねぇ。スゲー、レスラーだよ。だけどな! このオレも、新日本に初上陸して8ヶ月! 無敗という記録を持ってんだ(※場内拍手&歓声)。さらには! 『SUPERJr.』のAブロックを全勝で通過している(※場内拍手&歓声)。言っちゃ悪いが、オスプレイ。いまのオレ……、誰が相手でも負ける気がしねぇんだよ(※場内拍手&歓声)。もちろん、オマエが相手でもな。オスプレイ、6.5! 両国のメインで、オマエのその自信満々な鼻っ柱を、ヘシ折ってやる。最後に勝つのは! この、オレだ(※場内拍手&歓声)。オレの言いたいことは以上だ」(引用:新日本プロレスオフィシャルサイト)

 鷹木信悟選手のマイクが評価される、
大きなポイントの一つが、
「オレ強い」系の、自賛コメントではなく、
相手の事をキチンと評価したうえで、
自分の事を語りだし、そして上手くまとめることです。

今回も、簡易な英語でウィル・オスプレイ選手を
称賛し、そのうえで、「オレはもっと強い」と締めました。

端的で分かりやすく、観客も反応しやすいワード

「新日本参戦から無敗」「リーグ戦全勝」

などを用いて、盛り上げるあたりも、流石だな、と思いました。

ウィル・オスプレイのマイク

BOSJの序盤戦の頃に、ウィル・オスプレイ選手の
インタビューが公開されました。

奇しくも、鷹木信悟選手もインタビューが公開され、
この決勝戦を予想していたかのようにも思えます。

その時のインタビューに対する記事も書きましたが、

 

www.noumisoprowrestle.work

 

 

www.noumisoprowrestle.work

 

鷹木信悟選手のインタビューは、同じブロックの選手
一人一人を簡単に解説しながら、自分との相性はどうか、
など、選手の事を知らない人にも読みやすい内容でした。

一方のウィル・オスプレイ選手は、いわゆる
「オレ強い」系の言葉で紡がれたインタビューでした。

この時点で、のうぷろ的にはレスラーとして強いのは
鷹木信悟選手だと思いました。

 

 

イメージが逆転した鷹木信悟とウィル・オスプレイ

しかし、今回のマイク合戦で、鷹木信悟選手と
ウィル・オスプレイ選手のイメージが逆転したように感じました。

オスプレイ「チョットマッテクダサイ。日本語でしゃべってくれたのはいいけど、ワカリマセン。だけど、お前は英語がわかるよな。スコシ、俺にもしゃべらせてくれ。お前に向かってな。なあシンゴ、お前、ちょっと俺のことを見くびってやしないか? 俺が恐れてるのことはひとつだけ。多くのファイターに先を越されてしまうこと。アイ・ラブ・ニュージャパンプロレス。俺は常に冷静で謙虚でいる。シンゴ、お前もたまにはそうかもしれないけど、俺は毎日毎日、そう努めてるんだ。俺の人生訓のようなものだ。リングに上がるたびに、そうであるべきだってね。気持ちを落ち着かせてコントロールしている。俺が勝利を重ねられているのは、その賜物だ。多くのファンに対して、そういう姿を見せているんだ。そして逆に、俺はみんなからそれを教えられた。シンゴ、お前は何を慌てているのか知らないけど、闘う時は決まったんだ。俺とお前で。でも、ここは俺のホーム。お前の気持ちは受け止めた。俺は闘う。そう、ここで闘うまでだ。そして、お前を倒す。俺は英国を代表する男。ジュニアヘビー級、ヘビー級に関係なく。そして俺こそが、お前を最初に倒す男だ。お前に思い知らせてやる。俺はエアリアル・アサシン、ソラノオーサマ、ウィル・オスプレイ、そしてお前を倒す男だ、シンゴ。俺がドラゴンを成敗する」

(引用:新日本プロレスオフィシャルサイト)

 

少しの日本語と、分かりやすい英語で、言葉少なに語りだした
ウィル・オスプレイ選手。

しかし、「新日本プロレス」への思い、
「ベストオブザスーパージュニア」への思いを語り始めると、
怒涛の如くまくしたてました。
ともすれば、その思いに感極まっているようにも感じました。

 

その思いが響いたのか、
挑発的態度だった鷹木信悟選手は、
ウィル・オスプレイ選手の言葉に、
ただうなずくだけで、言葉を返すことなく
リングを後にしました。

 

 

ウィル・オスプレイ選手は「オレ強い」という思い以上にある、
「新日本プロレス愛」「BOSJ愛」を掲げました。

これまで、丁寧なコメントと確実な強さで圧倒してきた
鷹木信悟選手が持っていないもの、
それが「新日本プロレス愛」だろうと思います。

無いわけじゃないですが、まだ口にするには
8か月という短い期間という事もあり、
「言葉の深み」に欠けます。

 

ウィル・オスプレイ選手はそこをついてきた。
一気に鷹木信悟選手が「悪役」のような様相を呈しました。

 

 

まとめ

鷹木信悟選手が成し得た、
「全勝」「新日本プロレス参戦以来無敗」という偉業は、

ウィル・オスプレイ選手の「新日本プロレス愛」によって、

「新日ジュニアに侵攻してきた外敵」というベクトルに変えたと思います。

 

2018年のG1クライマックスで、
セコンドに柴田勝頼選手を率いたことによって、
棚橋弘至選手vs飯伏幸太選手という決勝のテーマが
「新日本プロレスvs外敵」という構図になったように。

 

人の思いはキレイにまとめる事ばかりが正しいわけじゃない。

つたなくても、まとまりがなくても、
その熱い思いが伝われば、自然と共感が得られるものです。

「強さ」とは別の尺度、

プロレスがもつ大きな魅力としてある「熱狂」

その「熱狂」は言葉の力によっても生み出されます。

ウィル・オスプレイ選手が語った「愛」は、
両国国技館に蔓延しているであろう
「鷹木信悟全勝優勝」の空気を変えることができるのか?

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