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飯伏幸太が語る「ケニーオメガが棚橋弘至に勝てない絶対的な理由」

2018年の新日本プロレス最終戦。12月14日、15日の後楽園ホール大会は最高でしたね!

 

特にネット上では2日目のメインイベント、

棚橋弘至選手&ウィル・オスプレイ選手VSケニー・オメガ選手&飯伏幸太選手組

https://www.njpw.co.jp/wp-content/uploads/2018/10/%EF%BC%93-1.jpg

(出典:新日本プロレスオフィシャルHP)

 

この試合への称賛が多かったですね。東スポのプロレス大賞ベストバウトが発表されてから、このレベルの試合を魅せるなんて、新日本プロレスの本領は、やっぱこういうとこだなー、と感じました。

 

やっぱプロレスが好きでよかった!と。

 

しかし、試合後のマイクで違和感を覚える発言がありました。

 

 

ウィルオスプレイ選手を「ゴールデントリガー」を沈め、2018年も有終の美で終えたケニーオメガ選手。

試合後、マイク握ると、

「最近気づいてるよ。ワタシ、思ってるほど人気じゃなかったんですね」

と発言しました。

「俺の考え方が正しいかと思ったんですけど・・・」

と、棚橋弘至選手との一連のイデオロギー闘争について、弱々しい発言をします。

 

そして、「もしかしたらさ、2人とも間違っているかもしれない」

 

と、闘争の終結を匂わせる言葉を口にします。

 

この「2人とも間違っているかもしれない」という言葉。実はイデオロギー闘争の開始と共に口にしていた人物がいます。その人物とは、

 

飯伏幸太選手です。

 

棚橋弘至選手とケニーオメガ選手のイデオロギー闘争に関しては、勃発時から中立的な発言をしていました。

 

・ 飯伏幸太のイデオロギーとは?

「KAMINOGE」 81号は”熱狂の正体”というテーマで様々な方のインタビューが掲載されています。

 

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ここに掲載されている飯伏幸太選手のインタビューで、2人のイデオロギー闘争に関する発言がありました。

 

 

ケニーはアスリート系、

すなわち「極限まで身体を張ったものがプロレスだ」と。

 

でも棚橋さんは違うと。

そんなものがなくても熱狂は生まれる、

人を熱い気持ちにさせたり、心を揺さぶることはできるんだと。

 

「プロレスは身体を張るだけではない」っていう主張ですよね。

 

だけど俺は、どっちが合っている、

合っていないっていうのはないと思ってるんですよ。

 

でも俺にはどっちの考えもあるんですよ。

「ケニー・オメガの意見もわかるし、棚橋弘至の意見もわかる」と。

 

だけど「どっちの意見もわからない」という部分もあるんですよ。

自分はどっちのスタイルにも属していないと思っています。

 

だから「どちらかと言うと?」って聞かれても

「どっちも違うよ」ってなっちゃいますね。

(引用元:KAMINOGE81号)

 

ケニーオメガ選手とのタッグ「ゴールデン☆ラヴァーズ」は組むけど、

「THE ELITE」と共闘するということにはグレーな回答のまま。

「ケニー・オメガの意見も分かるし、棚橋弘至の意見もわかる」けど

「どっちの意見も分からない」からこそ、

 

「どっちも違うよ」。

 

 

この号の飯伏幸太選手の「プロレス観」にはとてつもなくしびれました。

昔から「プロレス」を「哲学」してきた飯伏幸太選手。

ケニー・オメガ選手が答えを出す前から、というより2人がぶつかったその瞬間には既にこうなることが分かっていたんですね。

 

・G1クライマックス決勝で”仕掛け”られた飯伏幸太

さて、話はG1クライマックスの決勝になります。

 

飯伏幸太選手の言及の対象は、棚橋弘至選手の入場時。

武道館が沸き、棚橋弘至復活をそんなに期待していなかった当時のボクですら、

「そうきたか!」と言ってしまった、

 

セコンド・柴田勝頼選手の存在。

 

「ああ、それするか」って思いましたね。

「でもまあ、そうだよな」とも。


だけど、それからお互いのセコンドも入れて

4人がリングに上がった瞬間に「あれ?」

みたいなことになって。

「これって、もしかして

新日本プロレスVS新日本じゃない人たちってことか」と。


「ああ、こうなるかあ・・・」と思って。

でも、「その上でも勝たないといけない」みたいな。

試合でのパフォーマンス、会場の支持も含め

「それでもプロレスラー飯伏幸太として勝たなければいけない」

っていう感覚になりましたね。

そういう気持ちを持ったっていうか、

逆にエネルギーになったというか。

「やらないと!」みたいな。
そうなった瞬間にはもう正直、

ケニーは俺の頭にはないんですよ。

(引用元:KAMINOGE81号)


これを読んだ当時も飯伏幸太選手「プロレス観」に震えたんですけど、

「イッテンヨン」を前に読み返すと、

改めてケニー・オメガ選手対つ棚橋弘至選手の試合が楽しみになってきます。

 

 

 

飯伏幸太選手の「ああ、それするか」

という発言がすべてを物語っています。

 

これまで、激しいシングルマッチのリーグ戦を勝ち抜いてきたもの同士の最後の戦い、

というイメージだったのが、「新日本VS非新日本」という構図、極端に言うと、

 

正義の棚橋弘至vs悪の飯伏幸太になったというのです。

 

もちろん、飯伏幸太選手のファンの方や、ケニーオメガ選手のファンの方は、

「そんなことない」と思うかもしれません。

 

しかし、事実、ロープを開けて待つ柴田勝頼の存在によって、

「棚橋!新日本を守ってくれよ!」という空気が、

あの瞬間の日本武道館を支配しました。

 

その空気は、プロレスを理解すればするほど毒されるもの。

モスキートーンみたいに、聞こえない人には、

何が起きているのかすらわからないけど、

聞こえる人には強烈な刺激を与えるもの。

 

飯伏幸太とケニーオメガという、

プロレス界随一の「プロレス者」である2人は、

この空気に完全に支配されます。

 

激戦のBブロックを勝ち抜いてきたという自信。

ファンは絶対に認めてくれるという思い。

 

これらが、全て棚橋弘至選手の「仕掛け」

によって崩された飯伏幸太選手。

 

「新日本プロレスが今倒さなければならない男」

として見られてしまった

不運の天才・飯伏幸太。

 

それでも、「やらなければ!」と奮い立ちますが、

セコンドのケニー・オメガ選手は

「もう無理」という表情をしていたといいます。

 

とても凄い話だと思います。

これは妄想や深読みではなく、

「活字プロレス」界で異彩を放つ雑誌「KAMINOGE」で、

実際に飯伏幸太選手が語ったことなんです。

 

・棚橋弘至の怖さ

棚橋弘至選手の「仕掛け」はこれまでたくさんありました。

「逸材ボンバーズ」というユニット構想を立ち上げたり、

YOSHI-HASHI選手などへアプローチを掛けたり。

 

飯伏幸太選手へも、G1の決勝戦後、手を差し伸べました。

その手を握ることはしなかった飯伏幸太選手。

「こっち側に来い」という意思表示だったのか、

とその時を振り返っています。

 

そんな「仕掛け」に対し、ケニー・オメガ選手はどんな思いを持っていたでしょうか?

「イブシさんは”アッチ”(棚橋弘至側に)イカナイ」

 

「ケニーファンには棚橋弘至の”仕掛け”は通じない」とと余裕でいるのでしょうか?

 

 

しかし、そんな余裕をぶち壊す事件が起きました。

 

棚橋弘至・オカダカズチカ電撃合体!

 

ワールドタッグリーグの中で、エントリーしたタッグよりも話題をかっさらったこの

2人は、「ドリームタッグ」と呼ばれました。

 

”「イッテンヨン」の試合が決まっている選手はワールドタッグリーグに参戦しない”

 

というルール通り、シリーズを休んだケニー・オメガ選手。

 

一方の棚橋弘至選手は、

オカダカズチカ選手と共闘というビッグトピックスを引っ提げて、シリーズの後半から参戦。しかも、「CHAOS・新日本隊連合軍」という、おまけ付きで!

 

更に、メディア露出等で「イッテンヨン」を告知する棚橋弘至選手。

ケニー・オメガ選手がいないところで、棚橋弘至という男は「仕掛け」続けているんです!

 

怖い男ですよ。棚橋弘至という男は。 

レフェリーの目を盗んで金的攻撃なんてものじゃない、お客様の心を奪う”仕掛け”

もはや、フィクサーレベルの話ですよ!

 

・”仕掛け”に対してケニー・オメガはどうでるのか?そして真の「敵」とは?

「最近気づいてるよ。ワタシ、思ってるほど人気じゃなかったんですね」

「オレの考え方が正しいかと思ったんですけど・・・」

 

効いてるんです。棚橋弘至選手がG1の決勝で撒いた「非新日本」の選手にだけ効くあの毒ガスが。

効いてるんです。ケニー・オメガ不在の新日本で話題を振りまいた結果が、ボディーブローのように効いてるんです。

 

「今日の試合で少しやる気がでたよ。お前のしわしわの顔、緩んだ身体、そこからお前のいいもの全てを吸い取ってやろうと思えた。」

 

こう言うしか無くなったんです。ケニーオメガ選手は。

「カナダの路上王」と呼ばれ、格闘ゲームが大好きなケニー青年は、DDTプロレスのリングで、まるで格闘ゲームのキャラクターのような試合をする飯伏幸太選手をみて来日。

ケニーオメガ選手は飯伏幸太選手しか興味がなかった。

しかし、新日本プロレスに参戦するということは、それ以上の結果を残さなければならなかった。

 

ケニーオメガ選手は、それを「外国人選手初のG1制覇」や、「IWGPヘビー級王者戴冠」

だと思っていた。

そして、飯伏幸太選手やヤングバックスといった、自分と同じ価値観を持ったレスラーたちで徒党し、新しいブームを起こすことだと思った。

 

ゲームの世界の主人公になることだと解釈した。

 

間違いじゃない。でも正解になれなかった。

 

「棚橋弘至復活」というのは、オカダカズチカ選手や内藤哲也選手のファンからするとどうでもいいことでしょう。

むしろ、新日本プロレスが世間へ浸透していくために制作した映画のプロモーションに、

G1クライマックスを利用した、という印象が強いため、嫌悪感を抱く方の方が多いはず。

 

ボクも最初はそうでした。しかし、飯伏幸太選手の発言を通してもう一度棚橋弘至選手をみると、なんてしたたかで、なんて怖い選手なんだ!と改めて痛感します。

 

東京ドームにもう一度、柴田勝頼選手を連れてきたらどうなるでしょう?

武道館を支配したあの空気が、今度は東京ドームを支配したら。

 

もしそうなったら、ケニーオメガ選手が戦うのは、棚橋弘至という「プロレスラー」ではない。

いつのまにか様々な「プロレス観」を棚橋弘至選手を通して見るようになったお客様との戦い。

 

そう、つまり、

 

東京ドームというとてつもないバケモノと戦うんです。

 

ケニー・オメガのいう「ワルイコト」とは一体何なのか?

Vトリガーからの片翼の天使だけでは、3カウントは奪えても、東京ドームのお客様の心までは奪えない。

 

なぜなら「勝った負けた」じゃないから。

 

「イッテンヨン」楽しみです!


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